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  • 執筆者の写真Nob K.

幾何学的構図の中のインディアン

WILLIAM McFARLANE NOTMAN (Canadian, active from 1880 or earlier) “Blackfoot Brave with Pony” 1889, Albumen print

今日の”LOOKING AT PHOTOGRAPHS”からの紹介は、WILLIAM McFARLANE NOTMANによるインディアンの写真です。

この作品、この本の発刊の直前にこれまで不明だった作者が判明しまた。

被写体は当時の写真の典型的なものでインディアンを写しています。インディアンの写真は当時多くのギャラリーで見ることができました。注目すべきは、この写真の構図です。インディアンのもつ手綱と馬の頭とテントの支柱によって奇妙な三角形が形作られています。馬に関して言えば、前足ぐらい真フレーム内に入れた方が馬の美しさもわかりやすくなると思うのですが、頭の部分のみで切り取られてしまっています。テント自身の三角形とも合わさって、二次元で見たときにとても面白い構成だと思います。

このインディアンの種族はBlackfootと呼ばれる部族で、この写真はAlberta's Rockiesの麓のStony Crerk Reserveで撮影されました。この地区のインディアンはLouis Rielに率いられた1885年のカナダ政府への反乱に加わる予定でしたが、最終的に彼らの代理人によって説得はされずに戦いには加わりませんでした。もし戦いに加わっていれば、彼らは確実に打ちのめされていたでしょう。

この写真のインディアンの表情も、起きるかもしれない戦いへの不安を抱えているように見えます。この写真のインディアンも、決して戦いへの前向きで強い気持ちで撮影されていたわけではなさそうです。

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