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執筆者の写真Nob K.

身体の動きを明かした連続写真

EADWEARD MUYBRIDGE (American, born England, 1830-1904) “Woman, Kicking” Plate 367 from Animal Locomotion. 1887, Collotype


今日の”LOOKING AT PHOTOGRAPHS”からの紹介は、EADWEARD MUYBRIDGEの”Animal Locomotion”からの身体の動きを捉えた連続写真です。

MUYBRIDGEとLEONARD STANFORDに関する話は真偽は定かではないものの非常に興味深い話です。Californiaの知事で愛馬家であったSTANFORDは友人の一人と走っている馬の足は4本同時に地上を離れるかどうかに2万5千ドルをかけてました。直接的な人の眼による観察では解決できなかったその問題に対して、STANFORDはMUYBRIDGEに写真によって証明するように依頼しました。その6年後にMUYBRIDGEは連続写真による撮影で4本の足は同時に地上を離れていることを証明し、STANFORDと画家を含む多くの人を驚かせました。ちなみに、MUYBRIDGEはこのプロジェクトのために多くの時間と費用を必要としたので、STANFORDの賭けは成功したと言えるものかどうか分かりません。

MUYBRIDGEはこのような連続写真の撮影を可能とするために、他の技術者達とも協力して写真感度の向上と高速シャッターを実現もしています。 MUYBRIDGEの最も重要な研究は、1887年に”Animal Locomotion”として発売された人間や動物などの781枚の様々な連続写真です。それまでの画家達は見えたように描くのではなく、学んできたように描く(19世紀までで言えば1つのモチーフを様々な角度から描いてみる練習等をする)というものでした。一方でMUYBRIDGEの業績は数千もの光学的な事実の記録であり、とても対照的でした。写真が画家の明確な確信を揺るがすものになったのです。

今日の写真では、モデルの女性が日よけのヘルメットを蹴飛ばしています。誰かが撮影時にボールを持ってくるのを忘れてしまったのでしょうか。おそらくは、連続写真を撮影するプロジェクトの中で何を蹴るのかは重要ではなく、代替物も許されたのでしょうね。それにしても、この連続写真は現代から見るととても奇妙である意味ではシュールな写真ですね。


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