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  • Nob K.

現代写真の萌芽〜自然主義写真の提唱


PETER HENRY EMERSON (British, 1856-1936) “Poling the Marsh Hey” Plate 17 from Life and Landscape on the Norfolk Broads. 1886, Platinum print

今日の”LOOKING AT PHOTOGRAPHS”からの紹介は、PETER HENRY EMERSONの”Life and Landscape on the Norfolk Broads”からの農村の風景写真です。

PETER HENRY EMERSONは、素晴らしく、独創的な写真家でり、また強力な理論家でもありました。彼の素晴らしい写真のほとんどはEast Angliaの農夫や漁師、そしてそこの風景でした。写真は客観的で情報量に富み、視覚的に満足できる者であると同時に感銘を与えるものでした。EMERSONはこれらの被写体にとても魅了されて、彼らの生活の質にとても興味を持ちました。EMERSONの写真は民俗学的にも価値があるものだったと言えます。

この様な彼の写真の一方で、彼の理論は非常に多岐にわたり、芸術史、視覚に関する生理学上のアプローチ、芸術と自然と科学の関係と様々な分野に触れました。しかしながら、これらの多岐にわたる観点はあくまでも彼の論理と支えるものに過ぎませんでした。彼は、写真が他の芸術と対等なものであることを主張し、印象派的な絵画を模倣する写真を批判して、自然主義写真を提唱しました。

しかしながら、その主張の5年後には、彼はその理論を撤回し、そして写真そのものも諦めてしまいます。というのも当時の乾板写真のクオリティは人間の視覚認識とは大きな差があり、彼の理論を実践するにはあまりに絶望的な技術的な壁があるように思われたからです。そして写真はマイナーなアートに過ぎないと考えるに至りました。

このような顛末にもかかわらず、彼の理論は後に大きな影響を持ち、まさに現代写真の萌芽となったのでした。

#写真 #表現 #アート #歴史