FRANCES BENJAMIN JOHNSTON (American, 1864-1952)
“Agriculture, Mixing Fertilizer” 1899 or 1900, From The Hampton Album. 1900, Platinum print
今日の”LOOKING AT PHOTOGRAPHS”からの紹介は、FRANCES BENJAMIN JOHNSTON の撮影した肥料を作る農夫のセットアップ写真です。
19世紀後半から20世紀にかけて、既に女性写真家は重要な役割を果たしていると考えられていました。女性が写真に向いていると考えられていた理由には、科学的根拠こそないものの色々な理由が挙げられました。例えば、写真家になるためには資格も必要なければ、職業ギルドに入る必要もないので差別を受ける機会が少ない。あるいは、写真はそれほど高度な技術レベルを要求されず長い間勉強する必要がない。あるいは、女性と写真の性質は似ているので向いているといったものです。(当時の意見の1つなので既に差別的な思考が入っているようにも思えますが。)
今日の写真のJOHNSTONも当時活躍した写真家の一人ですが、撮影中は非常に厳しい軍事教練の担当官のようだったそうです。撮影に当たっては、彼女の考えた構図に従って、完璧に人が配置されポーズを指示され、そして撮影の露光中、一切動くことを許しませんでした。そんな緊張感が今日の写真からもよく伝わってくると思います。彼女にとってはリアリスムス的な追求よりも彼女の理想郷の再現こそが写真にとって重要でした。この特有な撮影方法にもかかわらず、彼女の作品は、OHNSTONが恐るべきアーティストであったことを十分に示しているのではないでしょうか。
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