CLARENCE H. WHITE (American, 1871-1925)
“Miss Grace” c.1898, Platinum print
今日の”LOOKING AT PHOTOGRAPHS”からの紹介は、CLARENCE H. WHITE の撮影したある少女の写真です。
WHITE は、アーティストにとって、アイデアよりも才能が重要だということを示す典型的なタイプでした。彼は、アメリカのピクトリアリスムを代表する写真家の一人であり、Alfred Stieglitz 等とともに Photo-Secession と呼ばれるニューヨークに存在したピクトリアリスムを標榜する写真家グループの結成メンバーの一人として活躍しました。彼の写真のアイデアは、ジャポニズムの影響やPhoto-Secessionのナルシスティックな態度の混じり合ったものでした。彼は同時代のあらゆる重要な展示において登場するような成功した写真家でありました。後にコロンビア大学でも教鞭をとり、多くの写真家に影響を与えました。しかしながら、彼は彼自身の手法やアイデアの源泉についてあまり言及することはなかったそうです。
彼の撮影するものは広大な自然や現実の人々でもなく、抽象的ではかなく優美な存在でした。彼はそうしたものを近代化された世界の中で見いだして撮影しました。彼の作品は彼の願望を埋め合わせるものでもありました。彼は当時の陳腐化していた手法を彼の光に対する観察力と彼の独特のグラフィカルなセンスによって刷新しました。
今日の写真の少女の白いドレスは、その形も美しく、完璧なバランスで写真全体の他の要素と調和しているように思えます。
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